オリジナル設計 電源平滑モジュール BRi-PSM01シリーズについて

※開発内容などはこちらのブログに今後も記載していきますが、BRi-Audioの設計頒布物BRi-PSM01シリーズに最新の内容を記載しております。

先日、FiiO K7 その6にて記載した、私オリジナル設計のハンドメイド電源平滑モジュール BRi-PSM01シリーズについて、少々記載をしておきます。

 まずは、ご購入いただいた方に改めてお礼を申し上げます。

本品は、基本的にはスイッチングACアダプターであれば12V~15V程度、トランスACアダプターであれば12Vの入力に対応するように設計しておりますが、元々は、FiiO K7/K7BTのAKM(旭化成マイクロデバイセズ) DAC AK4493SEQ X 2の性能を引き出すための電源強化を目的として設計しております。
※6月以降頒布予定のBRi-PSM01-Bについては、5V系や小電力で動作するように設計しております。
ですので、以下を主にしております。

  • AKM DACの再現力、繊細さを発揮させる
    すべての音を再現しながらも、全体を聴けば音楽として心地よく聴けること
    また、パートを意識して聴けば、パート、楽器の旋律を感じられること
    繊細な弦楽器の表現、生ピアノの演奏感、ホール演奏の余韻、ミキシングの良しあしまでを再現するAKM DACの繊細さを生かすこと
  • 余計な色を付けない
    あくまで原音再生を目的とし、高音域のシンバルなどに不自然な響きや輝きを付けないこと
    低から中、高音域まで余計な起伏を付けず、フラットな音域とすること
    ハイレゾ領域 (20KHz以上)をごまかさないこと
  • スイッチングノイズを含む電源周りのノイズを低減することで、FiiO K7の真の実力を発揮させること

上記3点について、ノイズクリーナー+バルクキャパシタ及び電源平滑モジュールという、あくまでスイッチング/トランス/USB PD GaN素子のACアダプター向けであり、あくまで上流のアダプターのノイズを低減させるという点では、効果を感じて頂けると思います。
完全に実現とは正直言えませんが、その分コストをかけず、お手軽に実現できる物となっております。

Petit Susie + Tank LEクラスの価格となっておりますが、個人で頒布しており、量産品ではありませんので、コストを下げることは難しいです。
また、SusieやTank/LE/SSに使われている部品は一般品で安価に調達できますが、当方の物はオーディオグレード品や電源ケーブルにもこだわりを持って選定している為どうしても価格は上がってしまいます。
(尚、K11も同様のスイッチングACアダプターのようで、Petit Susie、Tankも動作しているようですし、BRi-PSM01-Mも動作すると思われますが、こちらについては私のほうでは検証などは行いません。Cirrus LogicのDACですし、K11の購入予定はありません)

コストがかかっても上記3点をフル体験したいという方は、別記事、リニア電源BRi-LPS01シリーズをお読みくださいね。

PXL_20240210_113417517さて、当方の電源平滑モジュールについては、大まかに2種類のバージョンを考えております。
正確には4種類なのですが、MUSE KZは生産終了となり、入手困難になるであろうこと、4種類目は電源を選ぶため、受注頒布でのみと思います。もっと読む...

FiiO K7 その6 さらなる電源強化を・・・自作電源平滑モジュールの作成

※開発内容などはこちらのブログに今後も記載していきますが、BRi-Audioの設計頒布物BRi-PSM01シリーズに最新の内容を記載しております。

FiiO K7ですが、リスニングのお供としてずっと使っていますが、その5の魔改造トランスACアダプターPA-6とPetit Susie(キャパシタ交換)+ニチコンKA追加基板+Petit Tank LEでずっと聞いておりましたが、まだまだ改善の余地はあると思っていました。

トランス(リニア)とスイッチング方式で、スイッチングのほうが高速で切り替える為、スイッチングノイズを除けば効率も電流の波形もいいのはわかっているのですが、Petit SusieのキャパシタをニチコンKAに代えても、スイッチングノイズによると思われる(といっても相当高周波のはずなので聴感に影響しない・・・はず)高音域の壁が気になりました。
それもあってトランス電源を使用しているのですが30000uF程度積んでも、やはりスイッチング式の応答の速さに追いついていない感があり、さらに2本追加して40000uFにしてどうかという無謀な挑戦を。
(突入電流がどうしても大きくなるので、機器側が対策されていないと破損につながる)

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とりあえず、ユニバーサル基板でニチコンKA 25V 4700uFを4本積んだ検証基板を作り、つないでみることに。

PXL_20240126_080654205まず、機器側へのダメージですが、まあ、今までキャパシタを増やしていっても大丈夫だったように、FiiO K7の保護回路がしっかりしている為、何の問題もありませんでしたね。もっと読む...

FiiO K7 その5 スイッチングかトランスか (キャパシタについてちょっと追記)

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その3でトランスACアダプター YAMAHA PA-6を、その2その4で純正スイッチングACアダプターとFX-Audio Petit Susie+Petit Tank Limited Editionを使用し、FiiO K7に接続してそれぞれ試してみましたが、今回は、改造済みYAHAMA PA-6に改造Petit Susie+Tank Limited Editionを接続して簡単に比較するとともに、改めてK7について記載してみようかと思います。

この状態で、アルミ電解キャパシタは

  • 改造 YAMAHA PA-6
    ニチコンKA 6800uF X 2 (13600uF)
  • 改造 Petit Susie
    ニチコンKA 1000uF X 3 (3000uF)
  • Petit Tank Limited Edition
    海外製個体分子キャパシタ 330uF X 8 (2640uF)

と、合計で19240uFと、FiiO K9 ProやFiiO PL50とほぼ同様の容量に。もっと読む...

FiiO K7 その4 Petit Susieを改造してみる

PXL_20231206_085333994K7 その2でPetit Susie /Petit Tank Limited Editionを使用していましたが、すべての音がソリッドなのはよいのですが、高音域までソリッドになりすぎて、アタックはいいけどディケイ、リリース、サスティンが・・・という状況になり、空気感や音の余韻が感じられなくなっていました。

とりあえず、Petit Susieを見てみると、コモンモード/ディフェレンシャルモードノイズの除去、低周波数はルビコン、中周波をフィルムで行っていますが、フィルム0.1とルビコンで、低周波、中周波(ここでの中周波は100KHz前後)はちゃんとできてるのか?とか高周波はあまりないとしても、積層セラミックで高周波も取っといたほうがいいかな?と思い、手持ちの部品で使えるものを探し、

  • ニチコン MUSE KZ 25V 470uF
    (KZなら100KHz程度まで効果があるっぽい?)
  • WIMA メタライズドフィルム 0.47uF
    (容量をふやして少し下の周波数から対応できるように)
  • 積層セラミック 0.1uF
    (MHzの高周波はどうかと思うけどやはり対策はしときたい)

を用意して部品交換することに。もっと読む...

FiiO K7 その3 トランスACアダプター YAMAHA PA-6を試す

PXL_20231122_051224477その2では電源強化としてスイッチングノイズ対策などのFX-Audio Petitシリーズを使用しましたが、今回は、YAMAHAのDTM音源 MU2000などに付属していた12V/2AトランスACアダプターを試してみます。

尚、こちらもATH-EW9クラスでは感じられない、ATH-W5000を通しての感想です。ですので、イヤホンによっては気にならないなどあると思います。

PXL_20231119_044520035うちには、MU2000EXがありましたので、このACアダプターを所持していました。ただ、もう20年近いものなので、最低限電解キャパシタは交換しておこうと思い、ニチコンKA 25V/6800uFに交換したものを使用しています(ELNA 25V/4700uFが最初からついていましたが、ニチコンKAは小型品なので、同サイズを取り付けたところ、容量アップとなりました)もっと読む...

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