K7 その2でPetit Susie /Petit Tank Limited Editionを使用していましたが、すべての音がソリッドなのはよいのですが、高音域までソリッドになりすぎて、アタックはいいけどディケイ、リリース、サスティンが・・・という状況になり、空気感や音の余韻が感じられなくなっていました。
とりあえず、Petit Susieを見てみると、コモンモード/ディフェレンシャルモードノイズの除去、低周波数はルビコン、中周波をフィルムで行っていますが、フィルム0.1とルビコンで、低周波、中周波(ここでの中周波は100KHz前後)はちゃんとできてるのか?とか高周波はあまりないとしても、積層セラミックで高周波も取っといたほうがいいかな?と思い、手持ちの部品で使えるものを探し、
- ニチコン MUSE KZ 25V 470uF
(KZなら100KHz程度まで効果があるっぽい?)
- WIMA メタライズドフィルム 0.47uF
(容量をふやして少し下の周波数から対応できるように)
- 積層セラミック 0.1uF
(MHzの高周波はどうかと思うけどやはり対策はしときたい)
を用意して部品交換することに。
今時のスルーホール基板、ベタ VSS/GNDということで、すぐに熱が拡散してしまい鉛フリー半田がなかなか溶けないのも予想できたので温度調整で380℃と高めにセット。手動はんだ吸い取り器とセットで電解、フィルム、DCケーブルのはんだを除去した後、MUSE KZ、WIMAフィルム、積層セラミックをはんだ付け。
MUSE KZは一般電解キャパシタよりもリードが太いので、入るか心配でしたが、KZも入るスルーホールでよかった。(スルーホール内に入ってしまったはんだを削るために0.72mmピンバイスで少々穴を広げました)
フィルムや積層セラミックは5㎜ピッチでちょうどですが、さすがにMUSE KZは大きいのでそのままでは取り付けられませんので、リードを曲げて取り付け。
リードを長く出したくはないのですが、とりあえず手持ちで行う為仕方なく。
交換後、まあ、すぐに足りなかった高音域の空気感、音の余韻も出て、かなり良くなりましたね。
やはりMUSE KZは強いなと思いました。
でも、ここで終わらせたくなかったのです。
やはり、リードを引き出すのがとても気になります。リードを長くすればESRが上がってしまうはず。
最終段に超低ESRの個体キャパシタがあるのにと・・・
今回はニチコンKAで探します。ちなみに、標準のルビコンより小型品で105℃対応オーディオグレード品です。その3のPA-6にも使いました。

サイズ的に外径10㎜でさがすと、25V470uFなどは同サイズなのでそれにしようと思いましたが、利用店舗で在庫がなかったので、330uFと、外径は同じで高さが20㎜の25V1000uFを入手。まあ、元の990uFから3000uFに上げるのでいろいろ不具合出ないか心配だったのもあって330uFを保険に。
外径も10㎜で同じなので、高さが上がるだけではんだ付けは問題ないのもあり、リードを最小にすべく基板に立ててはんだ付け。
この時、電源ケーブルを通常の2sqに代えてしまったので、その後同じにすべく、0.75sqのOFCケーブルに戻しています。ついでに、PC用の真鍮スペーサーを利用して高さを調整。
OFCケーブルで音が明るめに出るので、同じじゃないと比較になりませんので。
(吊るしの信号用OFCケーブルだと逆にもっさりしていたので、そんなにいいOFCケーブルでもないので気にしてませんでしたが、電源ラインだと明確ですね)
KAでも高音域の空気感、余韻はしっかり出ていますが、中音域の弦の響きや低音域の音の鳴りはMUSEのほうが量感が多く感じますね。
弾むような低音が出るのはやはりKZですな。
標準のルビコン <<<<< ニチコンKA << ニチコンMUSE KZ
MUSE KZは強いなと思いますが、やはりリードが気になる(Dr.DACでもここら辺改善できなかったのが今でも悔やまれる)のでMUSE KZ使いたいならSusieを自作するしかなさそうです。
まあ、そこらへん気にしないって方は、MUSE KZいいですよ?
でも、最近のSusieのように電解キャパシタのリードを根本から折り曲げると内部のリードや箔に負荷がかかり、キャパシタの寿命を縮める可能性があります。
やっとこやソルダーアシストを使って、キャパシタ内部に力が加わらない曲げ方をお勧めします。
追記
実は、MUSE KZもったいないということで、追加基板でMUSE KZ4本をSusieとTankの間に入れるようにしました。
2日ほど流しっぱなしにして、その後聴いてみたところ、MUSE KZの量感、弾むような低音域、弦楽器や女性ヴォーカルの艶などいろいろ出てきてて聴いてていいものなのですが、一つ欠点が。
なんか高音域(と言っても多分倍音成分含む通常より上の領域)がスポイルされている感じがありました。
上の領域は気にならない方にはMUSE KZはいいと思いますが、私には、ニチコンKAのほうがあっているようです。
これで、FiiO K7の純正スイッチングACアダプターの電源強化はひと段落したわけですが、さて、このPetit SusieとPetit Tank Limited Editionを、YAMAHA PA-6魔改造アダプターにつないだらどうなるんだろう?ということでその5に続きます。