オリジナル設計 電源平滑モジュールについて

先日、FiiO K7 その6にて記載した、私オリジナル設計のハンドメイド電源平滑モジュールについて、少々記載をしておきます。

まずは、ご購入いただいた方に改めてお礼を申し上げます。

本品は、基本的にはスイッチングACアダプターであれば12V~15V程度、トランスACアダプターであれば12Vの入力に対応するように設計しておりますが、元々は、FiiO K7/K7BTのAKM(旭化成マイクロデバイセズ) DAC AK4493SEQ X 2の性能を引き出すための電源強化を目的として設計しております。
ですので、以下を主にしております。

  • AKM DACの再現力、繊細さを発揮させる
    すべての音を再現しながらも、全体を聴けば音楽として素晴らしく、また、パートを意識して聴けば、パート、楽器の旋律を感じられること
    繊細な弦楽器の表現、生ピアノの演奏感、ホール演奏の余韻、ミキシングの良しあしまでを再現するAKM DACの繊細さを生かすこと
  • 余計な色を付けない
    あくまで原音再生を目的とし、高音域のシンバルなどに余計な響きや輝きを付けないこと
    低から中、高音域まで余計な起伏を付けず、フラットな音域とすること
    ハイレゾ領域 (20KHz以上)をごまかさないこと
  • スイッチングノイズを含む電源周りのノイズを低減することで、FiiO K7の真の実力を発揮させる
    (K11も同様のスイッチングACアダプターのようですが、こちらについては私のほうでは検証などは行いません。Cirrus LogicのDACですし、K11の購入予定はありません)

PXL_20240210_113417517さて、当方の電源平滑モジュールについては、大まかに1種類のバージョンを考えております。
正確には3種類なのですが、MUSE KZは生産終了となり、入手困難になるであろうこと、3種類目は電源を選ぶため、受注頒布でのみと思います。

写真は3種類目のフルバージョンになりますが、これはおそらくトランス方式ACアダプターでしか使用できません。
スイッチング方式電源にはスイッチング限界があり、平滑容量が限界を超えるとスイッチングしなくなってしまい、電源が正常に動作しなくなります。これはスイッチング電源により限界容量は異なります。
尚、3種類とも、トランス式ACアダプターについては YAMAHA PA-6での動作を確認しております。

共通事項

  • ノイズ対策用EMIフィルタ 村田製作所 EMIFIL BNX016-01を使用することにより100KHz~1GHzまでの高周波ノイズを低減
    (Petit SusieとATH-W5000で感じられた高音域の壁のようなものも、本製品では感じられず、上までクリアにします)
  • ニチコン製オーディオアルミ電解コンデンサ及びWIMAフィルムコンデンサを使用することで可聴周波数域から200KHzまでのノイズを低減
  • 1枚の基板に最大7本のアルミ電解コンデンサを実装可能にすることにより、1つでSusie+Tank相当、中容量では4倍強の電源平滑容量を実現
  • DC入力 安定した接続を実現する為に Singatron DCコネクタ(外径5.5㎜/内径2.1mm)を採用
  • DC出力 DCプラグ(外径5.5㎜/内径2.1mm)または端子台
    (令和6/4/21以降)DCケーブルにオヤイデ 102SSC 3398-18 0.75sqケーブルを使用、DCプラグにマル信無線製MP121CFを使用し、大電流対策と全域の音質の強化
  • ノイズ対策を考慮したオリジナル設計 2層基板
    基板サイズ98mm X 30mm 10mmスペーサー付
    Petit Susie + Petit Tankの機能を1つにまとめる為、どうしてもSusieなどのサイズには収まりきらず、少々大きくなっております
  • 和光テクニカル製 SR-4N オーディオ用銀入りはんだ使用
  • 基本的に、頒布、趣味で作成している物の為、価格はほぼ部品代、送料のみ
  1. ニチコン MUSE KZ 小容量バージョン ※頒布終了 (MUSE KZ生産終了の為)PXL_20240211_110038258
    電解コンデンサにニチコン MUSE KZ 25V(または50V) 470uFを4本、WIMA フィルム 0.1uFを搭載
    電解コンデンサ容量合計 1880uF
    手持ちのMUSE KZを使用する為、コストを少々抑えられています。
    尚、50V耐圧版の場合、24VのACアダプターにも対応できます。
    主に中、低音域の可聴帯域の音の余韻、細かい揺らぎを再現、全域のノイズ感低下となります。
    KA中容量バージョンと比べ、高音域、ハイレゾ領域の再現は(少々)劣ります。
    25V版50V版共にお買い上げいただきました。ありがとうございます。
  2. ニチコン KA 中容量バージョン 頒布価格 5,300円(送料込み)PXL_20240421_122038074
    電解コンデンサにニチコン KA 25V 1000uFを3本、KA 25V 4700uFを2本、WIMA フィルム 0.1uFを搭載
    電解コンデンサ容量合計 12400uF
    FiiO K7正規輸入品の純正スイッチングACアダプターで動作することを確認。
    PXL_20240423_042153076
    ※Petit Tank Limited Editonを追加して正常に動作することを確認しております。
    KAは都度購入する為、出品時期や価格は変動します。
    全域のノイズ低下、高速応答性を持ちながら、全域の音の余韻、細かい揺らぎなども再現します。
    ※令和6年4月21日以降、DCケーブルをオヤイデ102SSC 3398-18 0.75sqケーブル及びマル信無線製DCコネクタに変更しており、価格を調整しております。
  3. ニチコン KA フルスペック (要個別相談)PXL_20240210_113417517
    電解コンデンサにニチコン KA 25V 1000uFを3本、KA 25V 4700uFを4本、WIMA フィルム 0.1uFを搭載
    電解コンデンサ容量合計 21800uF
    FiiO K7の純正スイッチングACアダプターではスイッチング限界により動作しません

    こちらについては、参考程度、受注頒布のみ
    FiiO K7でどうしても使ってみたいという方は、YAMAHA PA-6/Bまたはその後継品などの12V 2A以上のリニア方式(トランス)ACアダプターを御用意したうえで個別にご相談ください。
    全域のノイズ低下、トランスACアダプターと組み合わせることにより、スイッチング電源と同等またはそれ以上の高速応答性を持ちながら、全域の音の響きや揺らぎ、余韻、開放感を感じさせる音です。

当初はTank相当の物も作れるように設計しておりましたが、正直言いまして、Susieのルビコン電解では力不足感が強かったため、現在Tank相当の基板を作る予定はありません。
(Tank版は、入力端子台を取り付け、DCコネクタ、EMIFILを未実装にして少々価格を下げることができますが、それでも500円弱くらいの差になると思われます)

要望のありましたケースについてですが(これはほんと、私も考えていたのですが・・・なかなかいい案が)
2種類考えています。

  1. タカチ SW-125Bを加工してケースとする方法
    こちらについては、次回KA調達と同時に1つ調達して加工してみる予定ですが、一つ一つ手で加工ですので開口部が雑になる場合があります
    また、基板押え用の部材なども必要になりますので、まずは作ってみてですかね。

  2. 専用ケースを3Dプリンターで作る方法
    電源平滑モジュールケース図面
    こちらはすでに図面も完成しているのですが、当方、療養中の身でもあり、3Dプリンターなどに投資する予算もありません。
    (予算あるなら、K9 AKMやリニア電源すぐ作れますものね)
    DMM.Makeで作成見積をしたら、KA中容量バージョンよりちょっと安いくらいの金額になりましたので、さすがに公開はしておりません。
    3Dプリンタが欲しいところです。

本品は、私個人の設計及び作成によるハンドメイド製品です。
企業ではありませんので、大量発注によるコストダウンもできません。
地方在住、通販でニチコンKAを仕入れているのですが、ニチコンKAもKG Gold Tune並みにお高いキャパシタなので、中容量KAバージョンのキャパシタ(コンデンサ)代だけで2000円超えます(号泣)EMIFILやWIMAフィルムその他も高価な部品ですので、ほぼ部品代/送料とはいえ、ニチコンKAバージョン及びフルスペックはSusie+TankLE相当の価格またはそれ以上で出しております。
興味ある方は共立エレショップでニチコンKAをみてみてくださいね。(25V 1000uF/25V 4700uF)

現在のところ作成後、メルカリの私のフロントYahooオークションの私のフロントの2か所のみ出品する予定です。
サイズ的に宅急便コンパクトでの発送となる為、送料などを含んだ価格で出品致します。
但し、いつも出せるとは限りませんし、出せたとしても、部品の調達などの関係上、月に1~数セットという少ない数になるかと思います。
出品時はこのページに出品情報を記載します。
ご購入して頂いた方の感想は、主にメルカリの私の評価に記載してくださっており、感謝しております。

ニチコンオーディオ用コンデンサはほかにも種類があります。
私もニチコンオーディオ用コンデンサを使用して10年以上になりますが、基本的に他の種類のものは作らない予定です。
まず、FG(Fine Gold)については作りません。高音域に色を付けてしまうからです。
ほかにはFW、KW、KTがありますが、KTあたりは検証が必要ですね。
しかしながら、KAの下位になってしまうKTを使うのはどうかということ。
MUSE KZの下位のFG、KW、FWですので、あまり使う気が起きないのは確かです。
FWなどは容量も大きいものがでてるので、使いやすいと思いますし、KAなどと同様に全域に対して効果があるという話を聞いてはいますが、MUSE KZの中低音域の再現や、KAの全域にわたる高音質化までとは思っておりません。

ニチコン MUSE KZバージョンに関しては、手持ちのMUSE KZ分のみの作成予定としておりますので、手持ちが無くなり次第終息する予定です。
また、MUSE KZはすでに生産終了となっている為、今後入手困難になると思われます。
メインはKAですが、MUSE KZも歴史あるいいコンデンサです。
KAを使う前は私も愛用していましたし。
ですので、MUSE KZ版の要望など、お気軽にコメント頂ければ幸いです。

尚、転売を確認した場合、即出品を停止するか、その後は転売された価格で出品するつもりですのであらかじめご了承下さい。

いろいろ硬いことばかり記載しましたが、FiiO K7のAKM DACでいい音楽をいい音で聴きたいという考えから、自己設計の電源平滑モジュールにまでたどり着きました。

FiiO K7に日本未発売(発売予定なしとエミライから回答をもらいました)のFiiO PL50を使うのがベストかもしれませんが、内部構成を見るに、まだまだ足りず、私ならまずコンデンサ換装を考えます。
トロイダルトランス及び、リニア式ドロップレギュレーターを使用してPL50と同等クラスの電源を作ることも考えますが、その電源の最終段に、本電源平滑モジュールを組み込むかもしれませんね。
PL50を持っていれば、PL50とFiiO K7の間に本モジュールのフルスペック版を入れて試してみたいところです。
※尚、リニア電源ですが、現在基板設計まで終えていますが、頒布は未定です。PSE法関連で、メルカリでの完成品の頒布はまず無理ですし、部品セットとしても確実に部品代だけで2万円を大きく超えますね。
ヤフオクでは大丈夫なようですが、ヤフオクを見てみると、リニア電源は結構出ているようですね。
うちのように極端に平滑容量大きいものとかはさすがにないようですが。

また、FiiO K11も同様の12V 2AのスイッチングACアダプターを使用しているようで、同平滑モジュールがつかえる可能性が高いです。基本的にスイッチングACアダプターが同じならなのですが、MUSE KZ版は平滑容量を抑えていますので、こちらのほうがいろいろ使いまわせます。

と、話がちょっと脱線してしまいました。
このようにかんがえておりますので、もし使ってみたいという方がいらっしゃいましたらお買い上げいただければと思います。

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