※開発内容などはこちらのブログに今後も記載していきますが、BRi-Audioの設計頒布物BRi-PSM01シリーズに最新の内容を記載しております。
FiiO K7ですが、リスニングのお供としてずっと使っていますが、その5の魔改造トランスACアダプターPA-6とPetit Susie(キャパシタ交換)+ニチコンKA追加基板+Petit Tank LEでずっと聞いておりましたが、まだまだ改善の余地はあると思っていました。
トランス(リニア)とスイッチング方式で、スイッチングのほうが高速で切り替える為、スイッチングノイズを除けば効率も電流の波形もいいのはわかっているのですが、Petit SusieのキャパシタをニチコンKAに代えても、スイッチングノイズによると思われる(といっても相当高周波のはずなので聴感に影響しない・・・はず)高音域の壁が気になりました。
それもあってトランス電源を使用しているのですが30000uF程度積んでも、やはりスイッチング式の応答の速さに追いついていない感があり、さらに2本追加して40000uFにしてどうかという無謀な挑戦を。
(突入電流がどうしても大きくなるので、機器側が対策されていないと破損につながる)
とりあえず、ユニバーサル基板でニチコンKA 25V 4700uFを4本積んだ検証基板を作り、つないでみることに。
まず、機器側へのダメージですが、まあ、今までキャパシタを増やしていっても大丈夫だったように、FiiO K7の保護回路がしっかりしている為、何の問題もありませんでしたね。
そして、音はというと、スイッチングACアダプターにSusie +Tank LEを付けた状態の応答速度が得られたと同時に、ニチコンKAの特性の低音から高音域までの全体的な音質向上も感じられ、AKM DACらしいとても満足のいくものでしたが、高音域にノイズが残ってるのかぼやけてしまっている感がありました。
これは、ユニバーサル基板で作っていて、GNDの取り方や電源ラインの配置に問題があるのかな?と考え・・・となると?
今まではいつもの3点セットで可聴周波数域からMHzまでのノイズ対策をしていました。また、Petit Susieのように、コモンモードコイルとノーマルモードコイルを使うのも手ですが、このご時世、機器の小型化により、EMI対策に高性能な物が増えている為、コストよりもEMIフィルタを使ってみることに。
MurataのEMIFIL BNX016-01は12X11㎜、高さ8㎜程度ながら、コモンチョーク/ノーマルチョーク/タンタルキャパシタ(製品情報の等価回路を参照)による100KHzからGHzまでの広い帯域でノイズ低減を行えるということで、そちらを使ってみることに。(秋月で買えますし)
これなら、2つのチョークコイルと積層セラミック(場合によってはフィルムも)を1つのEMIFILに置き換えられますね。
久しぶりに基板設計をすることに。以前はTINAやORCADを使っていましたが、今回はKICADで。そして、今回は、合計40000uFにするために、改造Susie+追加基板のニチコンKA7本分の容量を基板に納めなければなりません。回路図はすぐに引けたのですが、基板設計に時間がかかりました。
基板設計でGNDをできるだけ1か所から取ること(ベタGNDの活用)や基板上のノイズ対策の関連から、信号や電源ラインをGNDでガードしてあげなければならず、かつ、電流を流せるように、電源ラインのパターンは幅をとらねばなりませんので。
そこに、35V耐圧 4700uF 4本を載せ、1000uFも3本載せ、端子台、DCジャック、DC出力、そして調整用のフィルムを実装できる場所を考えなければなりません。
EMIFILで1次と2次に完全に分断する為、もちろん2系統の電源ライン、GNDも用意しなければならないということで数日間はつくっては消しを繰り返した挙句、なんとか基板を設計することができました。
基板を設計しても、それを製造するには業者にお願いして作ってもらう必要があります。その分の予算も必要なのでいろいろやりくりしてなんとか。
DCジャックなどもいろいろ考慮したりして、なんとかサイズをPetitと同様にしたかったのですが、まあ、基板見てもらえばわかるように、どうしても入りきらず、98㎜X30㎜の基板サイズとなりました。
さて、こちらに実装していくわけですが、あくまで今回の40000uFを実現するためにフルスペックで実装していきます。まあ、シルクにいろいろあるように、Susie相当、Tank相当、Susie+Tankなどにすることができるように設計しています。
フィルムが必要かどうかがありますので、フィルムや積層セラミックを載せるパターンにはSILピンソケットを1つずつ切断してはんだ付け。
その後、EMIFIL、SingatronのDCジャック、端子台、1000uFのニチコンKAなどを実装していきました。
その後、ニチコンKA 25V 4700uFを4本載せ、今回の検証基板は完成です。
本基板では、21800uFですが、PA-6の13600uFとPetit Tank LEを足して約40000uFとなります。
改造Susieをこの検証基板に置き換え、出力端子台からPetit Tank LEに接続してFiiO K7に接続。
早速音だしをすると・・・ユニバーサル基板での問題点は全部クリアできました。
AKM DACの全域の音を正確に表現する性能を引き出すことができたと思います。
また、EMIFILの高性能さに驚くばかりでした。ニチコンKAだとWIMAフィルムすらいらないと思えます。
追記:WIMAフィルム0.1uFを追加することにしました。
ニチコンKAの高音域の伸びは素晴らしいのですが、フィルム無しでは、高音域の音が一部粗いと思えることがあり、追加して調整しています。
ご注意:この全部載せクラスになると、FiiO K7の純正スイッチングACアダプターでは平滑容量が大きすぎてスイッチング限界を超え、正常に動作しなくなります。
しばらくエージングをしてさらに音を確かめたいと思います。
尚、このプロトタイプ基板(というより、サイズを小さくできない以上、これで完成といってもいい)ですがそのまま使える為。手持ちのニチコンKZ 50V 470uFを4本、WIMAフィルムを載せて、DCジャック、EMIFIL、出力端子台、DCプラグを取り付けたSusie+相当のモジュールを作成し、メルカリに出品、ご購入いただきありがとうございました。
価格は、部品代、送料(サイズ的に宅急便コンパクト)、基板代くらいに抑えておりますが、高性能部品を使っている為、Petit Susieに比べるとどうしても高くなりますね。
それでもという方はぜひご購入いただいて使ってみてください。
(病気療養中なので、こういうので予算をすこしでも補填しないとなかなか次に行けません)
尚、EMIFILを採用した恩恵ですが、Petit Susieで感じられた上の方の壁ですが、この基板では感じられませんでしたのでお勧めだったりします。
こちらについては、別にオリジナル設計 電源平滑モジュールについてに記載していますので、そちらもご覧いただければと思います。また、今後、月に1から数セットの割合で出していきますが、出品時はそちらを更新致します。
また、今回まで使っていた改造Petit SusieとニチコンKA 25V 4700uF 2本の追加基板、そしてDCプラグをセットにしたものも出品、ご購入いただきありがとうございました。
こちらは、FiiO K7の純正スイッチングACアダプターが優秀なのか、スイッチング限界までいかず正常に動作することを確認しております。
ただ・・・地方在住、通販でニチコンKAを仕入れているのですが、ニチコンKAもKG Gold Tune並みにお高いキャパシタなので、キャパシタ(コンデンサ)代だけで2000円超えます(号泣)のでこの価格で出しております。
興味ある方は共立エレショップでニチコンKAをみてみてくださいね。(25V 1000uF/25V 4700uF)
さて、K7に関してですが、しばらくエージングしてからの検証になりますが、やれることはあとはリニア電源を自作する?くらいですかね。
(電源は完全に自分専用になってしまいますね。PSE法関連で販売はできませんので)
まあ、ここまでだと十分な気もしています。
Twitterでもつぶやいていましたが、だれかK9 AKMをプレゼントしてくれないかなぁ。
K9 AKMはぜひ聴いてみたいですね。
(上記に書いた通り療養中なので・・・音楽をいい音で聴くことで精神的にプラスになっております)
追記:今回の全部載せ基板はYAMAHA PA-6または後継品のようなトランス方式ACアダプターでしか使用出来ないため、今後部品を調達次第にはなりますが、全部載せのうちKA 25V 4700uFを2本に減らし、端子台などを調整したSusie+Tank相当のK7に対応できるFiiO K7対応の最上位品としてごく少数作ってみようかなとは思っております。
ニチコンKA 合計 12400uFと、トランス方式電源クラスのアルミ電解コンデンサの容量となりますが、FiiO K7のスイッチングACアダプター(うちのはエミライの正規輸入品ですで動作を確認しています。
現在、ニチコンKAは手元にないので、部品調達もありますので2月中にはなんとかしたいところですね。
また、KZの25V耐圧版を使ったSusie+相当のコストパフォーマンス版もごく少量作成するかもしれませんね。